HISTORY BAR

ピザ一筋40年

―――――なぜピザ屋をはじめたんですか?
 
もともとアメリカの政治に興味があって渡米したんですよ。
当時は色々なアルバイトをしながら政治の勉強をしていました。
そのアルバイトの一つにニューヨークのタイムズスクエアにあった
"TONY's"というピッツァ屋がきっかけでした。  
そこは生地の薄いクリスビーなイタリアンスタイルピッツァと違い
チーズたっぷりのニューヨークスタイルピッツァだったんです。
お客さんはピッツァを片手に街を歩いたり、公園に出かけたりしていたんです。
それが当時のスタイルなんですよ。
 
僕は日本に帰ってから、何か新しいことを始めたいと考えていて
当時は珍しかったこのニューヨークスタイルのピッツァ屋を昭和43年に
代々木にオープンしました。
 
開店当時は、ピッツァ自体がまだ知られてなかったから
僕がガラス越しに生地を打っているとその姿を見た人が洗濯屋だと思い込んで
両手いっぱいの洗濯物を持ち込んできたこともありました。
それくらいピッツァを知っている人は少なかったんですよ。

当時のトニー

1968年
代々木に開店した当時のトニー。
ピザ120円、コーラ60円の時代。

―――――お店のこだわりは?
 
ピッツァの本質は何といっても「チーズ」です。
・オランダ産のエダムチーズ
・デンマーク産のマリボチーズ
・ドイツ産のモッツァレラチーズ
という3種類のチーズを、塊で仕入れているんです。
それぞれのチーズの個性に合わせた削り方で
今でも毎日お店で削っています。
削りたてのチーズを使うと全然味が違うんですよ。
新鮮なチーズをたっぷり使うのが"トニー流"です。
 
それから生地(クラスト)もこだわって作っています。
生地はオーダーを受けてからさらにこね直して焼き上げています。
もちろん生地も自家製です。
 
そしてうちでは生地を練るときに打ち粉は使わないんです。
そんなことをしたら、生地が粉の味になっちゃうし
しっとり仕上がらないんです。
だからピッツァの味も違うし、"もち"も違うんですよ。
 
お客さんにおいしいものを食べてもらいたいと思いながら
毎日ピッツァを焼いています。
どれも自信を持って作っているので
ぜひうちのピッツァを召し上がってみてください。

マスターの手さばき

44年間作ってきた技巧。
マスターの手さばき。
あふれんばかりのチーズで具が見えない。

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